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ここでは当事務所が月次巡回監査の実践とTKCシステムの導入指導によりお客様の発展に貢献することのコンセプトとポリシーを掲げています。
「監査業務、税務および経営助言業務の間には、理論的な分離はない。目的は異なるが、これらはすべて、同じデータに基づく多様な分類、分析および解説を包含する」(アメリカ公認会計士協会専務理事ジョン・L・ケアリー著『The CPA Plans for The Future(公認会計士 業務の未来設計)』より)
ここから、税理士の業務範囲は四つ(税務業務、会計業務、保証業務、経営助言業務)あること、互いの業務領域は重なり、中心には一つの「会計帳簿」が存在することを導くことができます。税理士には、この四つの分野の専門家という社会的な役割の発揮が求められます。
1.税務に関する専門家(Tax Lawyer)
税理士は、税の法律家として、「独立した公正な立場」で納税義務の適正な履行を実現することをその使命としています。
2.会計に関する専門家(Professional Accountant)
近年、わが国は世界に先駆けて中小企業向けの会計基準として、中小会計要領と中小指針を策定・公表しました。これらに準拠した信頼性のある決算書の作成を支援することも、税理士の重要な職務です。
3.保証に関する専門家(Tax Auditor)
税理士法第33条の2による書面添付制度は、いわゆる税務監査証明ともいうべきものです。中小企業の税務申告書や決算書の信頼性を確保する業務は、ますます重要となっています。
4.経営助言の専門家(Management Consultant)
税理士は、財務管理や管理会計の知見をもって経営のアドバイスを行います。わが国の企業の99.7%を占める中小企業の経営の健全化のためには税理士による経営助言が不可欠です。
税理士が、こうした四つの分野の専門家としての役割を果たすためには、その中心をなす会計帳簿の正確性をいかに高めるかが重要な命題となります。
そこで当事務所では、①毎月関与先企業への「巡回監査」を断行し、会計資料と会計記録の適時性や完全網羅性を検証していること②巡回監査を終えたデータの遡及的加除・訂正を禁止し、かつ四つの業務をトータルにカバーする「TKCシステム」を使用していること──によって、会計帳簿の正確性を確保します。
記帳代行(起票代行)などTKCシステムの導入による第一の目的である経営管理業務の生産性向上に反するような不要なサービスはお引き受けいたしません。このため、お客様自身で記帳、フィンテックの活用ができるよう徹底して指導いたします。
TKCシステム以外のシステムではお客様の発展に我々が十分なスキルの発揮をすることが望めず、サービスの質の維持が困難となるためです。
TKC全国会の基本理念である「自利利他」について、TKC全国会創設者飯塚毅は次のように述べています。
大乗仏教の経論には「自利利他」の語が実に頻繁に登場する。解釈にも諸説がある。その中で私は「自利とは利他をいう」(最澄伝教大師伝)と解するのが最も正しいと信ずる。
仏教哲学の精髄は「相即の論理」である。般若心経は「色即是空」と説くが、それは「色」を滅して「空」に至るのではなく、「色そのままに空」であるという真理を表現している。
同様に「自利とは利他をいう」とは、「利他」のまっただ中で「自利」を覚知すること、すなわち「自利即利他」の意味である。他の説のごとく「自利と、利他と」といった並列の関係ではない。
そう解すれば自利の「自」は、単に想念としての自己を指すものではないことが分かるだろう。それは己の主体、すなわち主人公である。
また、利他の「他」もただ他者の意ではない。己の五体はもちろん、眼耳鼻舌身意の「意」さえ含む一切の客体をいう。
世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。
そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。